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蒼い空の夜明け

《書いてる人》⇒夜明けの敵

「蒼い空に浮かぶキュトス(仮)」
71の大地と10の星が浮かぶ、果てなく広がる蒼穹世界。この日記は、その世界の創世から終末までの「人と神々の物語」についての設定が集まる場です。(最近は停滞しています)

しばらくは「星見の塔トーナメント」についての紀述がメインになると思います。


2007-11-11

個人スレ立ててみたけど、どれくらい続くやら…。

今回は一回戦終了後の控え室。戦闘シーンはスキップしました。うたばんスレで各試合のSSが進行してるし、あんまり書く気もおきなかったので。二回戦とかも試合内容は飛ばすと思います。期待していた方、いましたらごめんなさい。


[][]一回戦終了後 はてなブックマーク - 一回戦終了後 - 蒼い空の夜明け

「さっすが騎士さま! 圧勝じゃん!」

 控え室に戻ってすぐに、部屋中を飛び跳ねながら商人が言った。騎士は何も言わずにベッドの上に腰をおろし、足元を見つめて深く長い息を吐いた。

「この調子なら、本当に優勝できるんじゃないの!? 骸骨番長とか火の鳥とか剣とか猫とか、なんかいろいろいるけど、アンタだって十分、人間離れしてるんだからさ」

「…………そうだな」

「あ、そうだ。わたし、二回戦の相手が誰になるか確認してくるね。一回戦と違ってこれからは相手が誰なのか早めにわかるんだからさ、ちゃんと対策立てて試合に臨みたいもんね!」

 彼女はそう言って、騎士の返事も待たずに部屋を飛び出していった。

 控え室に一人残された騎士は、もう一度、先ほどよりも長く深い息を吐いた。

「……いるんだろ?」

 騎士は足元を見つめたまま、部屋のなかの誰かに言った。声はすぐに返ってきた。

「それが呪いの影響?」

 声とともに何もない空間からノシュトリが現れる。いや、騎士にはそう感じられただけで、ノシュトリは商人が部屋で飛び跳ねていたときから、そこにいたに違いない。

「そうだ」騎士が言った。「全力で戦った直後は、自分の意識が消えそうになる。力を使えば使うほど、俺は力に飲み込まれていく。……もともと、これは邪神の力なんだろう? それを人が使えば、これくらいのペナルティは当然か」

「むしろ貴方はラッキーだわ」ノシュトリが言う。「名前を失った時点で、普通の人間だったら自我まで消えて、力に振り回されるだけの存在になるわよ。貴方が戦った獣たちがそうだったでしょ? でも、貴方の場合、誇りがかろうじて自我を安定させてるみたいね」

「誇り、か」騎士は言った。「そうだな」

「それに」ノシュトリは続ける。「あの子の存在も大きいと思う。あの子がいなかったら、貴方はとっくに廃人になっていたわよ」

 それも正しいかもしれないな、と騎士は口に出さずに思った。自分は、彼女に二度助けられたのかもしれない。

 最初は命を。そして、誇りを。

「……はは。まったく、ずいぶんとでかい恩を背負ったものだ」

「…………」

 苦しそうに笑う騎士を、ノシュトリはじっと見つめていた。騎士にはその視線が、軽んじているようにも、哀れんでいるようにも見えなかった。まして、無感情の視線にはとても思えなかった。騎士はそれが気になった。

「どうした?」

「……なんでもない」

 その言葉の直後には、ノシュトリの姿はもう視認することもできなくなっていた。

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