虎すぐるの日記

2009-06-21東方諸国(2)

東方諸国地図2

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■遠東

カシュラム

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カシュラムはメアレン語のカシュト・ラーム(Kasht-Rhaam=カシュト王植民市)に由来し、カシュラム語では母音を抜いてKashtRhaamθ*1又はKshtrhmと綴る。また義国では真と呼ばれた。


  • 地理

首都カシュラムは、咲羅層から流れる汾水の形成する三角州上に建てられてた、灰海に面する典型的な港湾都市である。

汾水周辺の土壌は農耕に適しており、メアレンの植林した豆腐が栽培されカシュラム人の主食となっている。

大陸沿岸に多くの植民地を有し、主たる12の植民地は我神十二限界と呼ばれる大臣により無期限に統治される。


  • 歴史

古くから古代メアレンの一植民市として始まったカシュラムは、他の植民市同様古代メアレンの滅亡によって独立した。カシュラムの初期は農耕を営む先住民と海で働くメアレン人との長い闘争の歴史だった。都市は主に交易で成り立っていたため、統治権は海運の有力者たちを中心とするメアレン人による共和制へ移っていった。

咲羅層から運ばれる槍樹の流木を利用して作られた櫂船の性能は追随を許さず、数百年の間に多くの灰海沿岸の植民市を従えるまでになった。新史前八世紀には航海者キシスが60隻もの船隊を率いてカシュラムを出発し、泡良を発見した。泡良との交易によってもたらされる富はカシュラムを繁栄に導いた。

新史暦68年、カシュラムは自発的に義国へ主権を明け渡し、帝国に編入される。カシュラムは義国へ追従したかに見えたが、彼らの持つ海軍力と貿易による富を背景に国家の運営へ介入した。事態を重く見た義国は、テイドロイこと「円」に泡良への独占貿易権を与え、これによってカシュラムは凋落した。

鈴義戦争によって義国が瓦解すると、カシュラムは海軍を結集し円へ奇襲をかけ、泡良への貿易拠点を幾つか獲得した。しかし円も灰色庭園に援軍を要請、クロウサーの反撃によって艦隊は甚大な被害を受けた。

さらに戦争用の三段櫂船の建造に必要な槍樹の伐採のため咲羅層へ軍隊を派遣するも、二十年に及ぶ戦争の末アンデルカルラ人に敗北した。

戦争が議会の意志決定の遅さを露呈させると、海軍からは権力の集中をたびたび要求された。反議会派の急先鋒だったヨミル提督が円との大規模な海戦に敗北すると、提督不在の間に議会は提督を罷免し、反発したヨミル提督はクーデター起こした。クーデターは海軍将校ブレイスヴァによって鎮圧され、議会の信頼を得て陸海全軍の統帥権を獲得したブレイスヴァは、即刻議会を停止しブレイスヴァ一世を名乗り、彼と我神十二限界による親政を行った。

祖国

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  • 地理

鋸山脈が国土を横断する。山脈は東に向かって二手に分かれ、間を鋸川が流れる。

鋸山脈の北端近くには紀元槍山と呼ばれる大陸で五番目に高い山がそびえ、山頂には大竜院こと疑心大竜神社が置かれている。

国土沿岸の高原地帯は海から吹き上げる風によって雲ができ、霧雨や雪が降るため湿潤な環境となり農耕に適する。斜面には棚田が作られ、一面を雪に覆われた冬の棚田の風景は非常に美しい。

山地にはミストロームとプリスタ人が住む。

山脈の南の裾野には竜骸の森が広がる。竜が棲むとされ、巨大化した昆虫が多く生息する。森の辺縁には小さな集落が点在し、余り人は住まない。

険しい山地の移動には六脚鳥や八脚馬を用いる。


  • 六脚鳥

六脚鳥は多脚鳥の仲間で、ゴキのように外骨格と脊椎を併せ持つ動物の一種である。

六脚鳥は断崖にまとまって巣を作る習性を持つため、山岳地方にのみ分布する。

急峻な山地が多くを占める祖国では、馬のような運搬手段を利用することができず、結果として多足鳥や多足馬など巨大な昆虫の家畜化が行われた。

特に六脚鳥は熊を仕留めて数十キロ先の巣に持ち帰る程度の持久力を備えていたので、人を乗せる動物としては最適だった。

六脚鳥に乗るのは熟練を要し、乗れる者は幼少から訓練された貴族に限られた。支配地域の拡大に伴って鳥兵の確保が急務となり鞍が発明される二世紀中ごろ以降も、六脚鳥に乗る者は特権階級の象徴であった。


  • 歴史

祖国は竜神信仰発祥の地といわれる。竜神信仰は太陽信仰の一種である。創世神話において太陽が神の一つとして数えられることはあれど、太陽自体が主神とされることがなかったのは、紀元槍の圧倒的な存在によるものが大きい。祖国においては山脈と霧が紀元槍を隠したため、代わって太陽が信仰されるようになった。竜は太陽の象徴で、太陽の正確な運行による秩序を示す。一方猫は四つの月の象徴で、不正確な運行や満ち欠けによる不規則さを示す。紀元槍は太陽と月の間である大地の象徴で、神の棲む太陽と月の世界に対して人の棲む地上の世界を示す。竜神信仰は二元的な思想であり、英盛において広く信仰される竜神信仰は英盛の五行思想と祖国の竜神信仰が重ね合わされたものである。

諸部族がプリスタ王によって統一されたのは417年で、この年を祖国建国の年とすることが多い。プリスタは黒を意味するためプリスタ人は黒色の民と呼ばれるが、彼らの肌の色は茶色がかった赤である。

英盛とは扉を通じてつながっていたが、教義の違いをめぐる宗教指導者の権力争いが国家間の戦争に発展し、現在も扉は封鎖されたままである。扉の封鎖後は、他国との地理的な断絶もあり滑翔文字など独自の文化が発展した。

咲羅層

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  • 地理

咲羅層の重力定数は周辺に比べてかなり小さい。極重力帯では独自の生態系が発達しやすく、咲羅層もその例に漏れない。恒常的な低気圧の引き起こす上昇気流によって雨が止むことはなく、咲羅層一帯は林立する槍樹を中心に熱帯雨林を形成する。槍樹は低重力に適応したため幹や根が細長く軽く、成長した槍樹の高さはしばしば百リーデを超える。槍樹の他にも沙羅双樹やネオンツリーこと蛍樹など他地域では見られない樹木が生息する。

咲羅層の南西には標高三千二百リーデの五台山があり、そこからは汾水、紅水、濫水、雲水、嘆水、復水の六本の川が流れ出る。

  • 歴史

咲羅層に住むアンデルカラ人は樹上に暮らす亜人の一種で、手足が長く敏捷、寿命は130歳程度、また視界の利かない熱帯雨林で生きる内に聴力が発達した。極重力環境に適応してしまったため骨がもろく、通常重力帯で暮らすのは若干難しい。

他にもティリビア人、通称枯れ木族と呼ばれる木に擬態する亜人がいる。彼/彼女らは季節によって性別を変え、繁殖に適する時季になると卵を地中に植える。生長は非常にゆっくりだが、三百歳での平均全長は五十リーデと、時によって巨人を易々と超える大きさになる。

咲羅層では新史前から幾多の探検家が帰らぬ身となり、メクセトですら手を焼いたと言われる彼らアンデルカルラ人が歴史の表舞台に現れたのは、新史暦二世紀頃のことである。

新史暦120年、拡大政策を取る希国は咲羅層北部を武力により併合する。捕らえられたアンデルカラ人は奴隷として売り払われ、生き延びた者たちは南部に移動するものの、地元部族に受け入れられることは無く、流浪の民となった彼らはバールデミッジ海峡を横断し、プラーミグ地方へ移住する。この出来事をアンデルカラ人の大移動と呼ぶ。アンデルカラ人の紀元槍信仰はマロゾンド教などプラーミグ地方の宗教に大きな影響を与え、ボーステンタクス建国の遠因となった。

新史暦171年、木造帆船の建造にあたって咲羅層の槍樹を伐採しようとしたカシュラムが軍隊を派遣し、アンデルカラ人との戦争が勃発する。カシュラムは苦戦を強いられ、数千人の犠牲者を出した後、カシュラムの工業製品と槍樹の交易をすることでアンデルカラ人と合意する。このときに結ばれた条約により、咲羅層一帯はアンデルカルラ連邦として主権を承認された。

千門大公国

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  • 歴史

建国は散らばった大地の時代にまでさかのぼる。当時千門諸島と呼ばれたかの国は宙に浮く小さな島々の集まりで、その島々同士をつないでいたのが門と呼ばれる巨大な扉だった。大陸球化の時にそれら島々が大陸プレートの隙間を埋める形でつなぎ合わさり現在の領土となった。大陸では一般的な王政ではなく諸侯の集まりによる寡頭政治が行われているのは、諸侯が別々に島を支配していた古代の名残である。

最初の変革はメクセトが初めて世界を統一した時に訪れた。兼ねてより扉の建造・保守技術に目をつけていたメクセトは、千門諸島を国ごと扉職人として召抱え、回廊と呼ばれる人工の扉を世界各地に造らせた。回廊の造られた地域一帯はは丸ごと千門諸島領土となり、神々との戦争が敗北に終わるまでの束の間繁栄を謳歌した。

メクセトの敗北によって世界帝国が崩壊すると大陸全土で反乱が起こり、帝国は無数の国々に分割された。扉を通じた他国の侵攻を恐れた国は扉を封鎖ないし破壊、食糧供給を扉に依存した多くの都市は消滅した。遠東を中心に残った門前都市群は、穀倉地帯を支配するナルエウ公を中心に徴兵軍を結成し、千門諸島は千門大公国として中央集権化する。

扉を利用した機動的な防御と外交を利用し、千門大公国はその影響力を保持しつつ新史暦時代まで生き延びる。しかし国内を統一した義国帝イエーナギールが最初の遠征の地として選んだのが千門大公国であった。

義国の反乱煽動に失敗した千門大公国は扉を封鎖するまもなく電撃的に義国に占領される。義国は接収した扉の軍隊以外の通行を禁じ、東方諸国征服の足がかりとした。

数十年後、義国は北辺帝国の領有を主張し北辺帝国へ侵攻。鈴国もそれに呼応し北辺帝国へ軍を動員し、鈴義戦争が勃発する。戦争は長期化し、戦況は鈴国に対して若干有利であったものの、不毛な北辺帝国への侵攻は従属国に大量の徴兵と徴税を強いた。

三十年に渡る戦争は鈴国の北辺帝国からの撤退と言う形で終わりを告げた。戦争末期頃から起きていた各地の反乱は激しさを増し、事態の収拾はもはや不可能と言ってよかった。反乱を千門大公国による煽動であると信じた二代皇帝アグオールは全ての扉の完全封鎖を命じるが、皇帝をはじめとする主戦派にもはや権力は無く、皇帝は側近に殺され義国は崩壊。命令は無視され、密約により国土は数人の将軍によって分割される。その一つが千門大公国であった。


  • 地理

領土の大部分が小さなプレートのつぎはぎであるため、地震が頻発する。またプレートによって重力係数も様々であるため、プレート間の位置エネルギー差を利用した魔術が知られる。



  • 政治

諸侯による千門議会によって最高権力者「千門大公」が選ばれる。任期は7年。千門大公直下には交通統監局が置かれ、門間輸送の管理を行う運輸部、扉の警務を行う保安部、通信業務を行う逓信部、食糧の配給を行う農務部、人頭税や通行料など各種税金の徴収を行い予算を都市に分配する清算部が置かれる。

実際の徴税、扉の保守、統監局の行わない業務は諸侯に委ねられ、それが諸侯の権力基盤となっている。

崩底

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  • 地理

太架氷流によって冬季は氷海が凍りつき、夏ですら流氷がしばしば見られる。このため船を出すのは自殺行為とされ、漁業や海洋貿易はほとんど発達していない。

屠殺彦の遠戚にして飛来神群の一柱オルバジルムの死体が国土を覆う。彼女の死体は今なお魔力を吸収し続け、代わりに熱と汗を放出する。

そのため雨が少なくとも作物が育ち、世界の軸として屹立する高麗ニンジンや大根やゴボウが天を突き抜ける勢いで生えている。

また寒さ対策として縦穴式の住居がよく見られる。


  • 歴史

古くは魔術の盛んな国だったと云われている。オルバジルムの死によってこの国の魔術の一切は絶えた。

魔術の不在によって戦争は長期化することが多く、無数の諸侯が血を血で争う戦乱の時代が長く続いた。崩低は国である事になっているが、統治者たる王が少なくとも十九人はいるので崩底地方と言った方が正しいのかもしれない。崩底は豊かな穀倉地帯であるため、「崩底では畑から兵士がとれる」と言われる。

希国と国境を接する。魔術が使えないとあって幾度かの戦争の後希国は侵攻を断念したが、政治介入を続けている。

農作物が腐るほど出来るので、周辺国に輸出している。食糧供給を崩底に依存させることが、この国ならではの安全保障の形である。

■極東

灰色庭園

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「魔女キュトスの一人カルル・アルル・アの私有地。領内は腐った木と灰と飛来神群の死体で覆われるばかりで、この地に入り帰還した者はいない。」


リーデ・ヘルサルの航海日記によってその名を知られた灰色庭園だが、その実態は未だ謎に包まれている。円とは細々と交易が続いており、世界各地の土や灰が高く売れるそうだ。


  • 歴史

マリアフィーリースは浮遊大陸の長にして飛来神群の一クロウサーを戦いの果て食い殺し、生き残ったクロウサーの魔女達の一部を引き連れ極東へ旅立った。

その地で自害したマリアフィーリースの断末魔は大気を呪い、血は大地を呪った。昼夜を問わず灰の降り注ぐ呪われた地になったかの地は灰色庭園と呼ばれるようになった。

数百年後、マリアフィーリースの生まれ変わりカルル・アルル・ア灰色庭園の地に飛来神群を呼び、二百年の災厄と呼ばれる破壊と蹂躙を引き起こした。これによって引き起こされた大陸東部の混乱は世界の半分を支配したとされる古代ジャッフハリム王国を滅亡に導く遠因となった。

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旧くはテイドロイと呼ばれた国。円とはハロルマータ(文字)でテフィドを意味する。テイドロイはメアレン語のテフィド・ラーム(Tephid-rhaam=テフィド王植民市)に由来し、円語に訛ってテイドロイとなった。テドロイとも。


  • 地理

領内の重力定数が若干高く、西の灰色庭園と合わせて極重力帯を形成する。このため咲羅層とは逆に年中乾燥しており、農耕に向かない灰白土が地域の北部を覆う。

南部は灰良風や洋陸風の影響で降水量が多く、極重力とあいまって針葉樹を主とした森林地帯が形成される。極重力の影響で琥珀木、リグナムバイタや黄銅木などのここ以外では見られない特異な木が生息し、いずれも高値で取引される。多くの木の密度が一リーデングラムを超えるため水には浮かばない。

また重力のせいで魔力圧も高く、半数を超える住民が何らかの形で魔術を使うことができる。

沿岸では灰海暖流と太架氷流が衝突し、テルラム*2を形成する。回遊魚は海流とともに泳ぐため、円沿岸は良い漁場として知られる。また灰海暖流はテルドラムで右折し泡良へ流れるため灰良暖流とも呼ばれる。


  • 歴史

二百年の災厄によって人の住まなくなったこの地域は、カシュラム同様古代メアレンの植民市として始まった。居住に向いた地域とは言えず、少数の住民が漁業と木材の取引で細々と生計を建てる小国であり、メアレン滅亡後はカシュラムに編入された。

カシュラムが義国に併合されると、義国は泡良との交易拠点となっていたテイドロイ周辺をまとめて円として独立させ、泡良との貿易を独占させた。円は一挙に成長し、一時期は総人口が10万人*3を下らないと言われたほどであった。しかし義国の滅亡によってカシュラムとの間に第二次ラーム戦争が勃発。灰色庭園の魔女の力を借りるも、戦争は百年以上にわたって続いた。

*1:θはマイナスの音価を持つ母音。それと組み合わさった母音の発音をなくす。他に子音の発音をなくすφがある。

*2:海流衝突点。円沿岸の漁村テルル・ラームから命名された。他に白翼海、北海のものが有名

*3:当時の鈴国の副首都ビンガランダラムの人口は推定20万