虎すぐるの日記

2008-09-07

【扉】

| 07:19 | はてなブックマーク - 【扉】 - 虎すぐるの日記

【扉】とは、遠く離れた二点を結ぶ装置である。

【扉】を通ることで、それがつなぐ二点間を瞬時に移動することができる。

【扉】はそのままの状態では何ものも通れない、ただのひずみのようなものである。しかし、この扉を何らかの技術によって加工することで、人やものを通すことができるようになる。【扉】の発見や加工を生業とする者たちは【扉職人】と呼ばれる。


【散らばった大地の時代】に、各地域を結ぶためにワレリィが作ったものを【門】、

メクセトが世界帝国を建国した際に作ったものを【回廊】、

メクセト以降の時代に、扉職人の手によって作られたものを【扉】

扉のうち人が出入りできない小さなものを【窓】と分類することがある。

【門】【回廊】は【扉】に比べると数が少なく、巨大で、安定している。


【扉】の寿命は永遠ではいが、中には永く後世にまで残って政治的、経済的、軍事的に重要な拠点として利用されるものも少なくない。こういった門が魔術的な異変によって閉鎖されるような事態は、戦争や疫病の流行、大災害などに並ぶ国家的問題とみなされる。

扉の多くは長年の運用でゆがみが生じているため、出入口に数時間のずれが発生するなど、不具合がある。


扉職人

扉職人は、世界に散らばる扉を保守・管理する人間の総称。ワレリィのみを指して【扉職人】と呼ぶこともある。扉職人は特権的な地位を持ち、各国に職能組合を作り連携している。組合は後にヘクセンとして独立国家を作る。


■扉の原理

扉は離れた空間同士を直接接続するのではない。

扉の出口と入口は別世界を経由してつながっており、別世界の時間/空間距離をゼロにすることであたかも扉の出口と入口が直接接続されているように見えるのだ。

例えば扉の一種である回廊は、出口と入口の間に文字通り数リーデの長さの回廊がある。

異世界へ空間を接続する方法には、非線形型、圧縮型、単射型、離散型、次元型などがある。


  • 非線形型

パンゲオンと異世界上の座標が一対一対応でない接続方法で、この方法を用いた扉は一方通行である。非線形接続された扉は、入口用と出口用の二つの扉がセットで作られることが多い。廃棄物処理や資源輸送など、一方通行でかまわない場合にさかんに用いられる。


  • 圧縮型

パンゲオンをそのままの形で小さくしたような種類の異世界へ接続する方法。そのような異世界は理論上では予言されているが、実際にはまだ見つかっていない。また扉を通る際に通行者が圧縮されない仕組みを予言したシュトラーエスの定理は、トポロジー界では有名な未解決問題である。


  • 単射型

圧縮型に似ている。パンゲオン→異世界に対応する点は全て存在するが、異世界→パンゲオンに対応する点は必ずしも存在しない場合。

こちらは【窓】程度の大きさのものでは実用化されている。


  • 離散型

写像が連続性を持たない接続方法。

離散しているといっても、ある程度の規則性を持つものを使う。


  • 次元型

いわゆるワームホール接続。他の扉とは原理が全く違う。人工的に扉を作る唯一の方法といわれているが、成功したためしは無い。


■扉の地政学

扉の結ぶ二つの地域は遠く離れた二つの地域を地続きにするので、政治・経済・軍事的に極めて重要である。


■門前市

扉のある場所には、貿易/軍事/行政都市がおかれることがほとんどである。このような都市は門前市とよばれる。

都市構造は一般に同心円/放射線状であり、内側から軍事地区、商業地区、住宅地区となっている。扉が反対側から占拠された場合に備え、行政地区は都心部から離れた場所にあることが多い。


門前市の種類

  • 扉の出入口が同じ国に支配される場合

扉の出入口の都市はしばしば一体化している。扉は開放的で、貿易がさかんに行われている。例:南バキスタ地方とリクシャマー帝国中枢を接続するヨムドラム市

  • 扉の出入口が違う国に支配されている場合

友好的な国同士であれば開放されるが、国力がつりあわない場合や、外交関係が悪化した場合に封鎖される。一旦扉が封鎖されると、再び扉が開かれるまでには長い時間を要する。また扉が開放された場合も、疫病の流行、経済構造の変化や、それに伴う相互不信に国が耐え切れず再び封鎖されることも少なくない。

また、反対側からの扉の封鎖の破壊や、扉の強奪に備えるため軍事都市としての色彩が強く、貿易は制限され、場合によっては通信にのみ使われる。防衛上の理由から存在が隠蔽されている扉もある。例:旧鈴国と義国首都を接続する第八門、通称緑廟門


■扉と戦争

領内に扉を持つ国同士が戦争する場合、戦争中は扉が封鎖されるので、経済に悪影響を及ぼす。中立の周辺国への扉の使用要請や封鎖要請も戦略に大きく関わるため、扉の無い地域に比べると、戦争における外交が相対的に重要である。


鈴国圏ではほぼ全ての扉が開放されているのに対し義国圏では多くの扉が依然封鎖されている。

義国圏で扉が封鎖されているのはは、戦争による中央集権化を図った義国にとって軍事が経済に優先した結果であり、義国崩壊後に小国が乱立した原因である。また騎乗が発達した。

一方鈴国圏では、扉を多用することで交通網の発達が遅れ、都市化が進んだ。その結果、その間の土地は必ずしもその国の領域に入っている訳ではなく、鈴国に服属しない異民族が多数存在していた。この状態は、鈴国圏での身分制度に大きく影響を及ぼすことになる。