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高島津諦のゆらぎの神話関連ペイジです
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2008-01-15

大問5:以下の会話文を読み、A~Dに適当な紀神名を入れよ(20点)

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「では、本日の紀神会議を始めます」

「ハイハイ」

「わーいわーい」

「ドンドンパフパフ」

「では何か発言のある方は」

「はい!」

「Bちゃんどうぞ」

「おかしいのです。今日は四人しか来てないのです。みんなどこいっちゃってるのですか? Bはさみしいのです。さみしくてさみしくて死んじゃいそうなのです」

「それはね、人間たちが地獄解放だなんだっていって僕たち紀神はひっぱりだこだからだよ」

「じゃあ今ここにいる人たちは人間たちに頼られてないというわけなのですか?」

「いや、僕は他に大事な用事があって手が離せないし、Dちゃんは」

「ちゃんって言うな」

「Dさんは戦いに向いてないし、Cは基本的に人間嫌いだし」

「じゃあなんでBはだれもよんでくれないのかなあ?」

「それは、あんまり強そうだって思われてないからじゃないかなあ」

「むー、人間むかつくのです。腹いせにいつか都市の一つや二つでも滅ぼしてやるのです。きっと思い知るのです」

「まあ、ほどほどにね」

「Bはきっとやるのです! やってしまってしまってしまうのです!」

「わかったわかった」

「B、あなたはもう少し落ち着きというものがもてないの?」

「Dだってカマトトぶってるのです。大陸の一つも壊せないくせに、どうしてそんなに偉そうなのですか?」

「ほら、私って知的なタイプだし」

「自分で言うなです」

「その地獄解放のことだけどさ、A」

「なんだい、C?」

「やっぱ人間むかつくから滅ぼしちゃっていいかな?」

「まあ、止めはしないけど、シャルマキヒュアレエーラマーンも人間側についてるよ」

「そうなんだ。じゃあさすがにぼくひとりじゃ勝てないなあ。やめとこっと」

「うんうん、それがいい(ぼくも今人間滅ぼされたら困るしね)」

「え、何か言った?」

「い、いや、何も言ってないよ? ホント今人間滅ぼされちゃったら困るとかそんなことは何も」

「……A、何するか知らないけど、その隠し事できないのは直したほうがいいよ。人間ってずるがしこいし」

「肝に銘じとくよ。さて、そんなわけで本日は特にこれといってネタがないわけですが」

「むー、つまらないのです」

「それじゃあみんなでゲームでもしない? ほら、私がこないだ別の宇宙からとってきた麻雀っていう」

「お、いいね」

「やろうやろう」

「はー、けっきょくこういう流れなのですか。紀神って一体何なんだろうなのです」

「あんまり深く考えないほうがいいよ。ぼくの灰色の脳細胞がそう言っている」

「Cは脳ないだろなのです」

「ア、そういやそうだったねー。あはは」

「はあ、このメンツはつかれるのです。わたしって一体何のために生きてるんだろうなのです……」

「まあまあ。それじゃAが親ね」

「あ、天和なのです。しかも九連宝灯なのです」

「……B、いきなり運命操作はどうかと思うよ」

 香菊・クリアセンスはため息と共に×を3つ、○を1つけた。

「この子も当たったのはアルセスだけか……5点」

 彼女がいるのは由良紀市立第二小学校職員室であり、彼女の机には答案用紙の束があり、彼女は同校の神話科教師であり、つまるところテストの採点中であった。

 香菊が今採点しているのは、知識のみならず、読解力や分析力、論理性などが必要となる、いわゆる「新傾向」の問題である。問題作成時の予想平均点は20点中13点。神話の基本を知っている生徒にとっては難しくない問題にしたつもりだった。口調は各紀神の基礎イメージに合わせたし、地獄開放というキーワードも入れた。おまけに、紛らわしいと思われたシャルマキヒュアレエーラマーンについては、わざわざ会話文中に名前を登場させて引っかからないようにまでした。

「それなのに、どうしてこう出来が悪いんだか」

 まだ試算もしてはいないが、ざっと見てきたところ、平均点は予想を大きく下回りそうだった。一桁になるかもしれない。

「うーん……神話離れ? でも授業はそういう雰囲気じゃないし……なんでこうなるかな」

 採点しながら間違いの傾向を分析しようとしていたが、それも上手くいっていなかった。生徒によって、紀神の当てはめ方が千差万別なのだ。そこから推測できることは――根本的に紀神のイメージが統一されていない?

「私の教え方が悪いのかなあ……イメージって、わざわざ教えるまでもなく常識だと思うんだけど」

 呟きつつ、次々に採点していく。

 一枚二枚三枚、四枚、五枚六枚七枚八枚。

 香菊は手を止めた。ふと思う。

(あの子たちみんな違うイメージを……違う神話を持ってる、か……)

 自然伝達に伴い変容していくのが神話のあり方だとしたら。

 生徒たちの神話認識を一つのものに統制するのは正しいことだろうか。

 個々の持つイメージの差異も矛盾も受け入れてこそ、神話の発展があるのではないか。

 今の神話教育は、神話や神々を化石化し、ある意味で殺してしまうことに繋がるのではないか。

(んん、何考えてんだ私)

 危険思想に意識が入り込みかけていた。もしも【観測庁】に知られでもしたら、「教育」を受けさせられるだろう。そうなれば、神話科教師の職はもちろん、真っ当な将来まで失うことになる。

「なしなし、今のなし」

 香菊は頭を振り、次の答案に強く×をつけた。

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