我がとうそう このページをアンテナに追加 RSSフィード

高島津諦のゆらぎの神話関連ペイジです
好き勝手やってますので、コメント・トラックバックお気軽にどうぞ

2007-10-21

燃やし賞参加しそこね作品

| 18:17 | 燃やし賞参加しそこね作品 - 我がとうそう を含むブックマーク はてなブックマーク - 燃やし賞参加しそこね作品 - 我がとうそう 燃やし賞参加しそこね作品 - 我がとうそう のブックマークコメント

 <Cu14-ワレリィ>で開いた【門】を抜けるとそこは無数の光弾に囲まれていた。避けきれないと判断し即座にゲルシェネスナを発動する。モナドエンジン一つを犠牲にしたゆらぎが光弾と敵機の半数を飲み込み前方空間を空にする。焼き切れたサブエンジンを廃棄しながら<Cu64-シャクニティエ>による無法則マニューバを開始、消し残した光弾を回避。速射性と弾速に優れる<Cu23-フェルティエイト>で全方位に射撃射撃射撃射撃、スットロい二機が撃墜されおよそ百機が回避運動を行い十五機が同士討ちにより行動不能。やや薄くなった第二波攻撃を<Cu64-シャクニティエ>のマニューバロールと<Cu7-シャーネス>の歪曲装甲でかいくぐる。陣形再編成を優先する敵群に向かいさらに加速する背後でダイヤモンドダストのような煌きが発生する。エンジン除装に紛れて放出しておいた<Cu39-セレブレッタ>が活動を開始したのだ。馬鹿みたいに高出力の推進装置と阿呆みたいに執念深い追跡装置を乗っけた小型弾頭群。ラヴァエヤナ曰く、一度惚れたら地獄の果てまで追いかける最悪の押しかけ女房。軽量故の猛加速で私を追い越し、それぞれ心に決めたダーリンへ求愛行動。とっつかまった敵機が爆散していくたび視界の隅に表示される『MARRIAGE!』の文字。開発部の趣味の悪さに顔をしかめながらようやく到達した敵群に侵入、混乱しきった中で運良く<Cu39-セレブレッタ>のラブコールを逃れた敵機が散発的に放ってくる光弾を<Cu63-ガルディエーラ>で防ぎ弾き散らし直進。接触を試みてくる愚か者が<Cu7-シャーネス>に指を先を曲げられ置き去りになるのを振り向かず前進。進路上にいる敵を<Cu69-宵>と<Cu22-ディオル>の二本刀で払い分かち開き捌き突進。一番奥に引っ込んでいた臆病者に接近し両断した瞬間に<Cu60-フィラルディア>を発動する。前方に鈍色のモナドミラーが展開した。他の全武装を使用停止、モナドミラーに突入した瞬間自機の動きも止まる。機体が軋むほどに高まっていた存在素熱量は全てミラーに反射し背後へ拡散、残存する敵機を残らず灼き尽くした。

 <Cu60-フィラルディア>を終了した。

 モナドエンジンを再始動する。

 撃ち漏らしがない事を確認。

 エネルギー消耗と損害をチェックする。

 外には何の変化もない。

 増援は現れない。

 ただ、静かになった空が広がっている。

「これで終わり?」

 <Cu-28-ノエレッテ>に声を乗せて流す。

 沈黙だけがある。

 しかし迷わない。続けて声を発する。

「随分貧租な歓迎じゃない。妹として恥ずかしいわ――ヘリステラお姉様」

「……歌ってくれるじゃないか」

 答えがあった。

「元々お前は物忘れが多かったが、いつの間に身の程まで忘れた?」

 方向のつかめない、直接機体が振動させられているような通信。

 しかし動じない。

「身の丈を知ったのよ。思ってたより私は背が高いってね。私には、出来ることがある。お姉様たちは認めなかったけれど」

「哀れで無様だよ、お前は」

「愚かで無残だわ、お姉様たちは」

 沈黙が張り詰める。

 アラーム音がそれを破る。<Cu13-コキューネー>がヘリステラのメッセージが来る方向を分析し終えたと伝える音。

 私は機体を回頭させる。

「間もなく皆が集う。それでも来るかい?」

「七十一妹にシャーネス姉さまも引き連れて行くつもりよ」

「手間が省けてありがたいね、精々急いできてくれよ」

 <Cu45-カルル・ア・カルル>が機体の変形を開始する。武装腕が収納される。感覚器が切り替わる。呼び出された<Cu44-ネクロゾーン>が突出部と突出部を闇色のシールドで繋ぎ覆う。スラスターが後部へ集まる。

 モナドエンジンの出力を一気に上げる。

魔王は絶対に甦らせない」

「無理だよ。人は我らが産み、我らは母様から生まれたのだから」

「その傲慢……私が正す」

 一本の槍となった機体と共に私は飛ぶ。八人の悪魔が待つ場所へ。

トラックバック - http://flicker.g.hatena.ne.jp/runa_way/20071021