Hatena::Groupflicker

金城ひろし

金城ひろし

 植物博士。マッドサイエンティスト。『魔法少女きゆら』『魔法少女ケミカルトマト』の登場人物。

 ヘルシートマト栽培法で有名。魔法少女きゆらに因縁をつけて一方的にライバル視している情けない大人。改造人間ケミカルトマトを温かく見守る紳士であり良識人。岐阜本光健のかつての親友。


親友・岐阜本光健との関係

 少年時代の金城ひろしは岐阜本光健 (いけ好かないガキ) と親友であり、互いの創作した物語を見せ合う仲だった。その物語の中で金城は異次元神メビウスゼロを、無限神クラインフィニティ?を創作した。(共に、いかにもマセた小学生の考えそうなイタい設定であった)

 この交流は二人が12歳になるまで続いた。しかしある日、岐阜本光健が異世界からの飛来神ヌアランダーラ?によって捕食・吸収されたことで両者の交流は途絶える。岐阜本との交流は、後の金城の生き方に大きな影響を与えた。


魔法少女きゆらとの因縁

 岐阜本光健が異世界の神ヌアランダーラに食われる現場を目の当たりにした金城は、世界を越境する手掛かりを得た。彼はこの越境についてマッドサイエンティストぶりを発揮、天才的な頭脳によって独自の理論を打ち立て、遂に魔法のステッキ・メビウスゼロを完成させる。

 しかし金城(当時34歳)はメビウスゼロの駆動に失敗、暴走させてしまう。そこに颯爽と現れ、メビウスゼロの暴走を食い止めたのが魔法少女きゆら(10歳)だった。しかし金城(34歳)は、創造主の自分よりもメビウスゼロを上手く扱う魔法少女きゆら(10歳)に対して逆上。彼女(10歳)を付け狙うようになった。

 以後、彼は何かと因縁をつけてきゆら(10歳)に勝負を申し込み、その度にコテンパンに叩きのめされるという醜態を晒し続けることとなる。きゆら(10歳)はしつこい金城(34歳)に対して「あなたを惨めな中年だなんて言わないわ。何度だって相手をしてあげる」と答えるが、その目にはどう見ても哀れみがこもっていた。

 二人の勝負の詳細については児童文学シリーズ「きゆらぎきゆら?」の第2巻『きゆらと憐れなひろし?』に詳しい。


改造人間ケミカルトマト、およびミコト教教祖ミノカワマコトとの関係

 かつて金城は天才的な研究者・ミノカワマコトと協力してケミカルトマトに関する研究を行っていた。しかしミノカワの研究内容はあまりにも革新的だったため、当時の学会に受け入れられることはなかった。絶望したミノカワは金城の前から姿を消す。

 数年後、ミノカワマコトは新興宗教ミコト教の教祖となっていた。秘密結社的性質を併せ持つミコト教は地下に多数の研究施設をしつらえ、その中で大量の改造人間を生み出していた。金城はこの研究施設から脱走してきた改造人間ケミカルトマトを保護し、自身の研究室に匿うこととなる。

 狂気のあまり変わり果ててしまったミノカワの姿に悲しんだ金城は、ミコト教と戦うケミカルトマトを様々な方法で援護する。また、人ならぬ身を哀しむケミカルトマトの心の支えとして、彼女を常に温かく受け入れるのであった。


人となり

 何か勘違いしていた少年時代はともかく、現在 (34歳) の金城は良識的で常識的な大人である。特に彼のヘルシートマトに関する研究は、害虫の大量発生 (大虫害ギャリソン) による大飢饉を未然に防いだものとして陰ながら評価されている。悪の道を歩み続けるミノカワをなんとか思いとどまらせようと苦心し、その被害者であるケミカルトマトを心から支えるなど正義感の強い人物でもある。

 ただし過去の古傷を抉る魔法少女きゆらに関することのみは、彼も冷静ではいられない。彼の魔法少女きゆらに対する嫉妬と執着はまさに狂人のそれであり、この一点において彼はまさに「情けない大人」そのものである。「自分を表すマークとしてわざわざ骸骨を象る」「どう考えても悪役としか思えない高笑いを響かせる」「負けるとなぜか爆発する」「高いところに登る」など彼の行動は徐々にエスカレートしつつあり、一向にとどまるところを知らない。


科学者として

 ヌアランダーラのもたらした越境理論に関して、金城の研究は天才的な成果を上げた。彼の研究はメビウスゼロの開発にとどまらず、異世界に通ずる扉の人為的解放に成功するまでとなる。

 しかし植物博士としての彼の能力は「凡庸な秀才」の域を決して出るものではなかった。ヘルシートマト栽培法という功績を残してはいるものの、天才ミノカワと比べるとその能力の差は明らかである。


魔法少女きゆら』ファンからの評価

 児童文学『きゆらと憐れなひろし』およびアニメ作品『魔法少女きゆら』に登場した金城は、逆恨みから延々ときゆらにつきまとう余りにも情けない中年(34歳)として描写されていた。10歳の少女を付け回す金城(34歳)の大人気なさと才能の無駄遣いっぷり*1は一部のファンから大きな反響を受け、「憐れな中年」の象徴として祭り上げられることとなる。

 しかし後年『魔法少女きゆら』のスピンオフ作品『魔法少女ケミカルトマト』が放映され、彼に対する人々の評価は大きく揺らぐこととなる。前作においてダメ大人の典型として描かれていた金城ひろしであったが、本作でそのイメージは一新。悪に染まったかつての友人の姿に義憤を燃やし、突然の不幸に苦しむ少女を温かく支えるダンディな好人物として描かれていた。

 金城のこの変わり身に戸惑う声は大きく、変化を受け入れる姿勢と反発する姿勢でファンの評価は二分された。しかし『魔法少女ケミカルトマト』第9話、再びミコト教に捕らえられたケミカルトマトを救出するため金城が奔走する回で、彼に対する評価は概ね固まることとなる。万策尽きた金城は遂に自身のプライドと積年の執着心を一時的とはいえ捨て去った。深い葛藤の末に彼は魔法少女きゆらのもとに出向き、頭を下げて涙ながらケミカルトマトの救出を訴えるのだ。

 前作の「情けない中年」の姿と今作の「ダンディな好人物」の姿は、この回で遂にひとつの「金城ひろし像」として結実した。大切な者を救うため10歳のきゆらに土下座する34歳金城の姿は、情けない大人の像そのものでありながらも多くの視聴者の胸を打った。このシーンによって金城に対するファンの評価はほぼ定まり、彼は『魔法少女きゆら』シリーズの中でも最も魅力的な人物の一人として数えられることとなる。

*1:きゆらに対する変態的な情熱 (その武力で一国を転覆させかねない変な触手メカの製造など) の一割でもヘルシートマトの研究に当てていれば、本職の方でも世界的な天才学者として名を残せたのではという突っ込みは非常に大きかった。