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只今きょむはゆらいでおります

2008-07-10

6 研究

23:55 | 6 研究 - 只今きょむはゆらいでおります のブックマークコメント

研究レポート 記述者:金城博士


イキューという獣はその舌で全てを素粒子のふるえにしてしまう。これはつまり、彼女が舐めたものは彼女の胃袋に収まる前に消えてしまうということだ。

しかし、彼女が生きていけないかというと、そうでもない。彼女はその舌で甘さと苦さを感じる。甘いものは無くなるまで徹底して舐めようとするし、苦いものはなるべく舌に触らせず飲み込むようだ。

これはおそらく甘いものがイキューにとって死に至る猛毒だから、だろう。甘いものを嗜好し、甘さだけを舌の上で執拗に転がすことで、イキューは毒からその脅威を守っている。

試しに全て甘いもので出来た家に誘導してみる。イキューは餓死寸前まで舌で味わうことを止めなかった。空腹の本能よりも、生存本能が上回ったということだろう。衰弱して倒れたところを研究所に運ぶ。


モウシュケは地面から養分を吸い上げて成長し、ある程度の大きさになると脱皮して空を飛ぶようになる。しかし、イキューに依存し始めてから、寿命がずいぶんと長くなった。イキューにある程度舐めさせることで成長を止めているものと思われる。

しかし以前おこなったイキューの実験によりイキューが来なくなったが、長年の怠惰からか脱皮せずにただ肥大化を始めた。もう飛べる状態ではないだろう。一部サンプルを切り取って持ち帰る。

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