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只今きょむはゆらいでおります

2008-07-06

3 拒食

00:26 | 3 拒食 - 只今きょむはゆらいでおります のブックマークコメント

とにかくモウシュケは太りやすい。

何も食べなくても、大地から勝手に養分を吸収してしまう。

ほっといたらどんどん大きくなるので、毎日イキューに舐めてもらう。

イキューが舐め取ったところは、何故か縮んでいってかき消える。

そうやってモウシュケは体型を維持していた。


しかし、ある日を境にイキューが顔を見せなくなった。

モウシュケはあっという間に太っていった。


実はもうひとつ、モウシュケには痩せる手段がある。変身だ。

モウシュケは自分の意志で空飛ぶ獣に変身することができる。

空を飛ぶ限り、大地からエネルギーを受けることはない。

しかし、それは大地との契約を切ること。

つまりその変身は不可逆で、大地のエネルギーを使いきったモウシュケは、

7日もしないうちに死んでしまうだろう。


結局モウシュケには、空を飛ぶ勇気は、なかった。

一度兎のような獣が説得に来たが、それでも決心はつかなかった。

モウシュケはもう太りすぎて動けない。何もできない。

それでもまだまだ大きくなっている。



「蝉の抜け殻の獣」(utsmさん)

http://d.hatena.ne.jp/utsm3/20080506/1210092743

「モウシュケ」(カヤツリグサさん)

http://paganekayaturigusa.blog46.fc2.com/blog-entry-24.html

4 過食

01:38 | 4 過食 - 只今きょむはゆらいでおります のブックマークコメント

お菓子の家を見つけた少女は幸せだった。

ここには甘いものがなんでも揃っている。

蜂蜜パンの壁。飴細工の窓。砂糖菓子の屋根。

家の中にはミルクにプディングにりんごのパイ。

舌の上に載せた瞬間、甘く溶けていくお菓子たち。


少女はモウシュケのところに行くのが馬鹿らしくなった。

どうしてわざわざあんな苦い奴を舐めなきゃいけないのか。

いいじゃない。食べ物はここにいくらでもあるのだから。

そうして少女は食べ続けた。


さっき兎がやってきて、この家はまやかしだとか罠だとか言っていた。

きっとお菓子が欲しかったんだろう。いくつか分けてあげて帰ってもらった。

まやかしである訳がない。こうして目の前にちゃんとあるのだから。

いくら食べても、無くなることのないお菓子たち。

舌に載せると、ふるえて消えるお菓子たち・・・


イキューは餓死する寸前まで、それはもう幸せだった。



「イキュー」(歌わない船さん)http://flicker.g.hatena.ne.jp/TheShipWhoXXX/20080507/beast17