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只今きょむはゆらいでおります

2008-05-13蝉の一生と千日手

10 モウシュケ

| 17:49 | 10 モウシュケ - 只今きょむはゆらいでおります のブックマークコメント

中立の獣、モウシュケ。

上から数えても10番目、下から数えても10番目にあるモウシュケ。

下のほうにいる弱い獣の心も、上のほうにいる強い獣の心も持たなかった。

パンゲオン・ライオットが始まって向こう、獣たちの争いが絶えなかったことに心を痛めたモウシュケは、目をつぶることにした。

それでうっかり6年くらい眠ってたら、なんか体がえらく大きくなっていた。

寝る子は育つ。

「モウシュケ」http://paganekayaturigusa.blog46.fc2.com/blog-entry-24.html

黒と白の決闘

| 23:22 | 黒と白の決闘 - 只今きょむはゆらいでおります のブックマークコメント

オーシャットは、パンゲオン・ライオットが始まる千日とちょっと前に、一度カチナシと闘っている。それはカチナシが初めて負けなかった勝負である。


[1]

その頃のカチナシは、自分の進むべき道を完全に見失っていた。カチナシは黒いモヤのような不定形をしていた。今の自分の姿は気に入らない。それを変えるための方法は、自分には複製のほかにない。パンゲオン・ライオットはまだまだ先だったが、とにかく決闘をしないと複製する相手もいない。

カチナシは誰彼かまわず喧嘩を売った。そしてことごとく惨敗した。パンゲオン・ライオットはまだまだ先だったので、命を取られることはなかったが、決闘を繰り返すうちに「最弱」「価値無し」「劣化コピー」などと呼ばれ、蔑まれるようになってしまった。



[2]

そんな中、ある日カチナシはオーシャットと出会った。その頃オーシャットは全身白い色のウサギだった。カチナシはすぐにオーシャットを複製し、決闘を挑んだ。その瞬間、カチナシの頭の中に、ありとあらゆる戦術の系統樹が生まれ、その有効性が自動的にシミュレート・吟味された。オーシャットは実に頭のよいウサギだった。

計算によってはじき出された答えは、「後手圧倒有利」。急所をつくことに特化したオーシャットの肉体同士、先に動き、隙を見せることはあまりに致命的過ぎた。先に動いたほうが負ける。カチナシはこの戦いが千日は続くと確信した。



[3]

その状況を打破したのは、本物のオーシャットのほうだった。

「お茶にしましょう」

おちゃにしましょう。あまりに突飛なその言葉に、カチナシは一瞬理解が追いつかなかった。そしてそのわずか一瞬で、カチナシはオーシャットの姿を見失っていた。

やられた。状況にそぐわぬ言葉を投げかけ、深読みさせておいてビジー状態の相手を突く。まさに急所、盲点だ。それはオーシャットが持ちうる戦術の全てをコピーしたはずのカチナシにすら予期できないものだった。相手の攻撃が来る。また私は負けてしまう。カチナシは思わず目をつぶった。


[4]

しかし、いつまで経っても攻撃は来なかった。

あたりを見回すと、オーシャットがどこからか持ち出した分厚い本に腰掛け、優雅に紅茶をすすっていた。

「あなたも、一杯どうです?」

カチナシは、しばらくあっけにとられて、立ち尽くしていた。

「いったい・・・何なんですかこれは・・・」


それが、カチナシとオーシャットの出会いだった。以来二人はパンゲオン・ライオットの始まる日まで行動を共にすることになる。


「オーシャット」http://flicker.g.hatena.ne.jp/dottokyom/20080507/1210177531

「カチナシ」http://flicker.g.hatena.ne.jp/dottokyom/20080507/1210177532