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2008-08-15

ザリスvsネオコージェ

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 紀元槍の根本に、ザリスはいた。その後を追って、ネオコージェがやってくる。最後の二頭の獣が、邂逅する。

 ネオコージェの視線に気づいてなお、ザリスは明後日の方向を向いている。ネオコージェはザリスを睨み続ける。その視線の"力"に気づき、ザリスはネオコージェと正対する。

 ザリスはこの勝負を降りるつもりだった。獣の王となることに、興味はない。獣が最後の一匹となるまでこの戦いは終わらないが、その方法は死だけではない。ザリスは、紀元槍に入ることでパンゲオン・ライオットのルールが支配するこの世界系から去るつもりだった。

 しかしネオコージェの視線を浴びて、ザリスはその考えを捨てる。ネオコージェの望みもまた、王となることではない。ネオコージェはただ、超えようとしている。父なる獣、もはや死したカッサリオを。そこへと繋がる道が、この戦いだった。

「ひとつだけ聞いときたいねんけど」

「なんやろ」

「あんたはカチナシ・ジーノントに勝った。ほんまか?」

「なんでそう思うん?」

「ネオコージェ・カッサリオを倒したカチナシ・ジーノントが、今度はネオコージェ・カッサリオの姿を借りてんのかもしれへん」

「そうか」

 今気づいたように、ネオコージェは腕を組む。

「ほんまや。そうかもなあ」

 ネオコージェはザリスから視線を外し、頷くような仕草をしながら少しの間考える。やがて腕を解き、ザリスに視線を戻して軽く言い放つ。

「そうかもしれんけど、とりあえず今からやることは変わらんかなあ」

「そうか。じゃあ、ええねんな」

「うん」

 ネオコージェは、身体の前で両手を構えた。対するザリスは、直立したまま姿勢を変えない。ネオコージェを侮っているわけではない。どこにも力を入れていないこの姿勢からが、いちばんどんな攻撃にも対応できる。切り裂くような、両の腕の動きが来る。力があり、速さがあった。その動きに捕らえられれば、ザリスの身体は一撃で破壊される。そしてザリスは、力でも速さでも負けている。

 しかし、ネオコージェはザリスを捕らえられない。

 力と速さで負けているザリスに、勝てるものがひとつある。それは目であり、感覚であり、感覚した情報から即座に次の展開を予測する力であり、つまり未来に対する感性であった。

 ネオコージェの攻撃はザリスに届く。しかし、ネオコージェの攻撃がザリスを捕らえることはない。ザリスはネオコージェの攻撃を、流す。「攻撃」という概念で呼ぶことのできるひとつひとつの要素をザリスは見切り、そして解体する。ザリスはネオコージェの「攻撃」を「腕の動き」という単なる事象として把握し直し、それが「攻撃」として機能しない未来に向かって、ザリスは少しだけ身体を動かす。それで、ネオコージェの「攻撃」は何か別のものになって流れていった。

 このようして、ネオコージェは敗北した。ザリスは少し考え、ネオコージェを紀元槍に落とす。ネオコージェはパンゲオン・ライオットのルールから解放され、ザリスパンゲオン・ライオットの勝者となる。

 パンゲオン・ライオットは終わる。そしてザリスの前に、その娘が現れる。

大ヤミーについて

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 とにかくでかいという印象だった。でかいのだけど、小ヤミーと姿かたちは同じだ。瓜二つの相似形というわけだ……相似比だけは、数百倍もあるけれど。

 でかいだけに、頭はあまりよくなかった。でも実は脚力がやたらあって、その背中に乗って空を飛ぶのは気持ちよかった。

ニード・モーモについて

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 ぶっちゃけただの蛇だ。ただの蛇というか、でかい蛇なのだけど。獲物を締めるときだけでなくて、友達ににじゃれつくときも、この蛇は同じように胴で巻きついてくる。そういう風にしてしか、こいつは誰かと関わることができなかった。

カチナシ・ジーノントについて

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 自分自身の真似をする、というのは私たちがいつでもやっていることだと思う。ただカチナシの場合、なぜかそれが目の前の相手に向いてしまうだけだったらしい。「真似」を放棄したカチナシは、だからとても強かったはずだ。

死馬右京について

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 死馬右京は山を愛していた。それなのに、山にとどまる自分の存在が結局は山に仇をなしていることにも、心の底で気づいていた。だから、最期の時の死馬右京の顔は、あんなにも安らかだったんだと思う。

 

アムネットについて

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 ちょっと前に、彼女とはいろんな話をした。彼女は獣として育てられたけど、普通の女の子としても育てられた。だから、話は合った。戦いが終わったら、ケーキを作ろう……そう約束させられたときは、正直ちょっと後悔した。あんた本当に帰ってくる気あったのかと文句言いたくなったけど、彼女はわりと素でそういうことを言う子だった。彼女は本気で勝って帰ってきて、私とケーキを作りたかったのだ。

シュハルツについて

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 そんな獣はいない、という性質を持った獣だった。

ヨ・チェダラーテ屠殺彦様について

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 あまりのイケメンっぷりに正気を保つ自身がなかったので、遠くからご尊顔を拝見するだけにとどめておいた。今思い出しても身が震えるし涎もちょっとたれた。見苦しい文面にしたくないのでここで筆を止める。

オーシャットについて

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 こいつはけっこう饒舌に喋る兎だったんだけど、ザリスとだけは一切口を利いてやらなかった。拳で心を伝え合う中に、言葉は不要という理屈らしい。まあ、ザリスはあれで大事にされてたわけだ。

 自分のことを、割と素直にザリスのペットだと思っていたそうだ。

カッサリオについて

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 実を言うと、カッサリオはカチナシに負けていない。勝ったのはカッサリオで、ネオコージェと戦ったのもカッサリオだった。

小ヤミーについて

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 こいつらは小さいが沢山いる。それはもう無数に、どのくらい沢山いるかというと、あの【G】とタメを張れるくらいだ。世の中が小ヤミーで溢れかえらなくて、よかったと思う。

 群体は気持ち悪けれど、近くで一匹を摘み上げて見ると、これがなかなか可愛かった。でもちいさいだけに、頭はあまりよくなかった。

ヨ・カネットネーブについて

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 またの名を【G】……ごめんさすがに割愛。

やみのもりについて

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 この森が一人の人間の心によって支配されているのか、無数の死者たちの心が寄り集まってできているのか、何とも言えない。その心の在り方は私たちと似ているけれどきっと全くの別物で、ただひとつ言えることは彼女たちにはクオリアがないということだけだ。

 寿命で死んだという以上、森のお姫様は最期にはけっこうなお歳を召されていたはずだ。それなのに女の子の振りをして現れるなんて、なかなかタヌキだ。シバラハシアはすっかり騙されていた。

マーシクフについて

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 理性の赴くままに生きて、理性の赴くままに死んだ。こいつにとって理性って、そういうものだったらしい。

ヨ・ジークシンについて

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 こいつって結局、序列の上でいちばん弱いアムネットに勝って、あとはゴキブリを一匹プチッて潰しただけだ。実はあんま強くなかったんじゃ……。

シバラハシアについて

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 キュトスの死に抵抗して生まれてきた魔女たちは、本質的に滅びに立ち向かおうとする。シバラハシアの目的も、まさにそれだった。魔女の叡智を得ていた彼女は、これがどういう戦いか知っていたのだ。

 その強さでいちばん多くの獣を倒した彼女は、やっぱり同じ理由で負けてしまった。相手の方が強かったという、しごく当然の理由で。

ネオコージェ・カッサリオについて

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 カッサリオ・ネオコージェは既に父親を超えていた。だから、目の前にいる自分より弱い存在が父親だとは認められなかった。あれは、そういうことだったんだと思う。

 自分より強いという幻の父親像を追って、彼女はこれからも戦い続けるのだろう。それが彼女の業といういことらしい。

そして、ザリスについて

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 理獣マークシフから、おおかたのことは聞いていたらしい。私もダーナから同じことを聞かされていた。獣は全部で二十匹。十九匹が雌で、一匹が雄。だから雌は一匹まで減らなければならなかった。パンゲオン・ライオットのルールに従うなら、私たちはこれから子供を産む。"雄獣"である私を父親として、"雌獣"であるザリスを母親として生まれるのは、次世代のパンゲオンだ。宇宙更新獣パンゲオンは、この宇宙が行き詰まった時に現れて、全てを初期化する。そして、全てをやり直すのだ。次の宇宙は、今よりも少しだけましな宇宙になる。それを繰り返せば、いつか私たちは幸せな世界を掴むことができるかもしれないのだ。

「だって、間違ってるもの。生け贄になるために生まれてくる私たちみたいな子が沢山いるこの宇宙は、間違ってる。何度も、何度もやり直せば、いつかそういう子たちのいない宇宙に生まれてくることだってできると思う。だから……ねえ、ザリス。私の仔を産んで」

 ザリスは表情を変えない。私に対する同情も、哀れみや反発も見いだせない。

「……あんたと同じ考えで、あんたの反対に立った奴の話を、理獣に聞いた」

 ザリスは、私の知らない話をした。ダーナが私に聞かせなかった話だ。その話では、ある女神がパンゲオンと戦い続けている。どの宇宙でも必ずやってくる世界の更新という名の滅びを阻み、"今の世界"を守り抜くため……女神はいつか自分が勝てると信じ、更新の日の次の日に辿り着くため、無限の時を戦い続けている。

「そんな話して、ずるい。ザリス、あなたはどうしたいの」

 ザリスは返事をしない。なんのことはない、言葉に詰まっているだけだ。ザリスだって、迷っているんだ。

ザリス、どうしたいの。答えて、ザリス

 ザリスはまだ迷っている。私は声を張り上げる。

ザリス、ねえ、答えて! ザリスはあたしのこと好きなの? 嫌いなの!?」

 とても長い間迷ってから、最後にザリスはたどたどしく答えた。

「わ、私ヘテロやったから、こういうのすごい難しいし……。こ……断っとるんとちゃうねんで、でも、と、とりあえず……友達からはじめよっか」

 そして結論は当分出ない。私は少しだけ先走って、恥ずかしがるザリスの手を軽く握った。

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