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2008-08-11

ヨ・カネットネーブvs小ヤミー

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さわざわと、影が蠢いている。

白い影と、黒い影だ。

影は無数にある。

一方はヤミーの群であり――もう一方は【G】の群だ。

世にも恐ろしい群れと群れが、ぶつかり入り乱れている。

互いが互いを、貪っている。

すぐに死体の山が築かれるが……群れの数はそれよりも圧倒的に多い。

両群が互いを貪り尽くすまで、三日三晩を要とした。

やがて最後の一匹と一匹が喰らい合い、『G』が勝った。

ヤミーは全て息絶え、【G】がただ一匹生き残った。

勝敗は決したのだ。


 ……ぶちり、と、【G】の最後の一匹が踏み潰された。


「うまく共倒れたな」

 グレンデルヒ・ライニンサルの名を持つ美少女が、【G】の死骸を見下ろす。

「いかな獣も恐るに足りん……だがお前にだけは分が悪かった」

 グレンデルヒは静かに語る。

「なぜならお前は【G】だからだ。私と同じな。言霊を同じくするお前を相手にしたときだけ、私の完全性は揺らぐ。だから、お前との勝負だけは避けさせてもらった」

 グレンデルヒは……笑う。完全な笑みが広がる。

「お前が消えた今、私は真に完全な獣だ。さあ……早く私を勝たせに来い」

 高笑いが、響くものもなく荒野に吸い込まれていく。ヤミーと【G】の無数の死骸を後にして、グレンデルヒは栄光の舞台へと向かった。

ネオコージェ・カッサリオ

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 父、カッサリオを超える。ネオコージェ・カッサリオはそれだけを考えていた。いつか父と対峙できる時を、千秋の思いで待ち望んでいた。しかし、その時はやって来なかった。

「ちがう」

 ネオコージェは、遂にカッサリオと対峙した。そのはずだった。しかしネオコージェは、そのことを認めなかった。

「自分はおとんちがう。誰や」

「何を言っている。私はカッサリオだ」

 違う。父と子の魂が、その真実を伝える。では、これは誰だ。カッサリオの姿をしたこの獣は何者だ。

「私はカッサリオだ」

 そう繰り返す獣の瞳に濁りはない。この獣は、自身をカッサリオだと確信している。どういうことか、これは。考えて、理解する。

「おとん、負けたんか」

 負けたのだ、父は。複製する獣カチナシ・ジーノントに、父は負けたのだ。

「私は、カッサリオだ」

 ネオコージェは、哀れに思った。敗れた父が哀れだったし、自身を父と錯覚するジーノントも哀れだった。そして、超えるべき存在を失った空虚がネオコージェを支配した。

「私は……カッサリオだ。ネオコージェよ、私はカッサリオだ」

「わかったて、もうええ」

 ネオコージェは、カッサリオに正対する。哀れみの目は拳で拭う。

「あたし、この日を待っててんで……勝負しようや、おとん」

 獣と獣の、拳が交わる。

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