Hatena::Groupflicker

ファイアマインドの住み処

水を考えてみよ。単純にして変幻自在、用途は多彩にして生活の細部に入り込み、破壊と恵みと美とをもたらす。お前の言うファンタジーとやらは、これよりも幻想的な光景を描けるのか? ましてや、この世にはこのようなものが何億とあるのだ。

2007-10-15Tournamented Celestial Gaze(星見の塔トーナメント)

[]ストーリー ストーリー - ファイアマインドの住み処 を含むブックマーク はてなブックマーク - ストーリー - ファイアマインドの住み処 ストーリー - ファイアマインドの住み処 のブックマークコメント

あなたは「キュトスの魔女」を名乗る少女に連れられて、ここ星見の塔までやってきた。

キュトスの魔女」という言葉について、あなたは2つの意味を知っている。

ひとつは、神話上の魔物。地母神キュトスの71に切り裂かれた死骸から生まれた、71人の魔女たち。

もうひとつは、その魔女を名乗る秘密結社だ。

都市伝説だと思っていたが、どうやら実在したようだ。あるいは、その都市伝説を名乗ってつくられた秘密結社であるのかもしれない。

突然現れたあなたたちに、フロアのある者は驚いたように、ある者は探るように振り返る。

あなたは、少女のつくりあげた空間の扉をくぐって、ここまで瞬間移動してきたのだ。人間の編み上げた理の外の世界が存在することを知っているあなたには、これが並の超常能力でないのがわかる。

「ナンバー14、ヴァレリアンヌ。ただいま戻りました」

少女とあなたは認識したが、話し方や物腰、顔つきに少女らしいところは一切見られない。

(まさか、本物の「キュトスの魔女」……?)

「ごくろう、ワレリィ

頭上から声がした。バルコニーに、車椅子にかけた女性が1人いる。

(「車輪の女王」か。)

f:id:Niv-Mizzet:20071016000947j:image:left


伝説では、第一の魔女ヘリステラは車輪の女王と呼ばれ、二頭の黒馬が牽く黄金の馬車に乗って71日で世界を回り、各地に散らばる魔女を集めたのだと言われる。

四紀獣の杖、天球の配置が記された黄金の車輪、竜脈図の描かれたローブ。この組織が伝説のキュトスの魔女を模しているのだとしたら、あの人物が最高権威者、ヘリステラであるのだろう。うなだれた姿勢は事実からだが悪いようにも見えるし、衰えた様子のない声からは、車輪の女王としての演出のための車椅子であるようにも見える。

「これでようやく最後か?」

野太い声が静寂を破った。

「賞品てのは何が出るんだ? そろそろ、はっきり言ってくれていいんじゃねえのか」

あなたがここまでやってきたのは、この塔で開催されるというトーナメントに参加するためだ。10分後にはるか遠くで開催されるトーナメントへの参加者を募っているというとても信じがたい話を聞いているうちに、詳しいことを確認しないままにここまで来てしまった。

「申し訳ありませんが、現時点ではまだその内容を明かすことはできません。ただし、その価値が計り知れないほどのものであることは保障いたします」

「ハ、その賞品てのは魔女の女王のケツよりも価値のあるものなんだろうなぁ?」

挑発するように男は言うが、女王は顔色一つ変えない。

「何でもご自由に。優勝賞品をもってすれば、そんな望みも叶えられるでしょう。もっとも、賞品を手にしたあなたが、まだその程度の望みで満足するかはわかりませんがね」

会場が静まり返る。と、そのとき、会場の片隅に飾られた絵から一人の女が現れ、女に手を引かれて男が現れた。

ネルトリートです。戻りました」

絵の中から抜け出てきた髪の長い女は、体についた絵の具の粉を払いながら、バルコニー上の女王に報告した。

「これで全員揃いましたね。それでは、トーナメントの説明をはじめます」